バックカントリー情報 山スキー.com バックカントリー入門 山スキー.com
 
 

バックカントリーの定義を考える
バックカントリー 雪山の犠牲にならない為のステップその1

バックカントリーとは

まず、バックカントリーが何かを知らなければ始まりません。
バックカントリーは直訳すると裏山という意味になりますが、それでは日本で一般的にバックカントリーと呼ばれているものとは解釈が違ってしまいます。
通常バックカントリースキー、スノボーと言われているものはどんなことを差すか説明していきます。
バックカントリー考察

■フィールド

 
    ゲレンデでのコース外を滑るのとは違います。自然の山に登り、滑り降りてくるわけですが、普通バックカントリーに使われる山域というのは国立公園として指定されている部分になります。

 個人の私有地になっている山に許可無く入るのは厳密には犯罪です(法律に詳しくないのでどういう適用になるかはわかりません)。
 私有地の山でも昔から一般の登山に開放されている場合はバックカントリーコースとして使われている可能性もありますが、雑誌などで広く知られているコースはほとんど国立公園だと思います。

 スキー場の私有地になるコース外滑走禁止区域などは、スキー場側から出て行くように言われれば、当然のことながら出て行かなければなりません。

 また、例えスキー場の私有地の外であってもコースの上にあり、滑ることにより雪崩を誘発する恐れがあるような場所を滑ったりトラバースするのはマナー違反です。
 雪崩を誘発する恐れがあり、危険だという看板や係員の警告などを無視して雪崩を引き起こして犠牲者を出したとしたら、最悪の場合未必の故意などの犯罪が適用されるかもしれません(法律に詳しくないので自信なし)。

バックカントリー_フィールド

■ハイクアップ(登り)

 
   ゲレンデではありませんのでリフトはありません。ゲレンデからアクセスできる山域でのバックカントリーならば、リフトやロープウェーを使いますが、リフトを利用してスタート地点まで移動するというだけで、そこからは歩いて登ります。
 山によっては、リフトなどを使わずにふもとからアクセスするところもあります。
 また、ヘリスキーならハイクアップをしなくても、バックカントリーと言えるでしょう。
バックカントリー_ハイクアップ
上の二つ、ハイクアップ自然の山域というのがバックカントリーの要素として重要だと思います。



 

バックカントリー装備/服装

上記のハイクアップとフィールドの点を踏まえてバックカントリーの特徴として考えると、以下の2点が関連してきます。


ゲレンデと大きく異なる点は
1.服装
2.滑走

■服装は速乾性が重要


 

 通常の日帰りバックカントリーなら無理に山用ウェアを買わなくてもゲレンデ用でかまいませんが、山用ウェアの方が快適に過ごせます。
 ゲレンデと何が違うかというと、バックカントリーには登り(ハイクアップ)があるということです。

気温がマイナスの冬山でも、登りの時には体温が上がり汗がでます。バックカントリー用のウェアは透湿発散(汗を吸いとって外に逃がす)性能に優れています。

雪山では暑いからといっておいそれとアウターを脱ぐわけにはいきませんが、かといって汗をかいて体やウェアが濡れたままでは危険です。
そこで、透湿性に優れたウェアが必要になるわけです。

最近のウェアはレイヤリング(重ね合わせ)という考え方で成り立っています。
ファーストレイヤー ミドル アウターの3枚の服の重ね着です。

一番下に着るファーストレイヤー(ベースレイヤー)は肌に密着する薄めのインナーです。一番の目的は、体の表面に汗をためないように吸収して外側(ミドルレイヤー)に引き渡します。

ミドルレイヤー(ミッドレイヤー)(中間着)は一般にフリースなどです。
吸湿発散性も備えてなおかつ充分な保温性が必要になります。
ただ暖かいだけのフリースならば製造コストも安く、お手軽に手に入りますが、汗を外に逃がす、軽い、フィットして動きやすいなどの機能がありません。
もちろん、最初の入門の時にはユニクロなどのフリースでもかまわないと思います。

そして一番の外側の
アウターはシェル(殻)という表現をされるように、アウターの内側と外の環境との遮断が目的です。
理想的なのはゴアテックスやその他に代表される防水透湿素材のように内側の水分は外へ発散させ、逆側は遮断することです。
防水性重視のハードシェルと透湿性重視のソフトシェルなどがあります。
大雑把にいうと
ハードシェル=たとえ雨でも大丈夫。ソフトシェルに比べると暑い。内側に汗が溜まることも。
ソフトシェル=汗が発散しやすい。反面、ミゾレやボタ雪だと水がしみてくることも。
という違いがあります。

バックカントリー用のアウターのほとんどは、保温素材が付いていないか、ごく薄いものが付いているだけです。
外気との遮断が目的で、保温性はミドルレイヤーに任せています。

基本は上記のインナー、ミドル、アウターの3層にして他に予備の防寒着などを用意します。
食事休憩などで立ち止まると一気に体が冷え込むので、ザックから出して着込みます。
ダウンや化繊の薄手のジャケットやベスト、保温素材付きのウィンドブレーカーなど、天候や標高、自分の体の基礎代謝などをあわせて考えながら決めて生きます。
吹雪で足止めをくらったり、遭難をした時には予備着は非常に重宝します。

下着やインナー、靴下などに共通して言えるのは木綿の製品を避けることです。
木綿は繊維自体が水を吸ってしまうので、一度濡れてしまうと中々乾きません。
化学繊維やウールなど速乾性のものを使用します。

上記はあくまでも一般的な例です。
人によって暑がり寒がりがありますし、汗のかき方も違います。
回数を重ねながら自分にあったスタイルが出来てくると思います。
 こういったバックカントリー用と言われるウェアは非常に高価です。
最初からそろえようとすると、かなりの高額な買い物になります。
ゲレンデ用や一般スポーツ、レジャー用から使えるものは流用していき、徐々に自分のスタイルや予算に合わせてそろえていくのがベストです。
 流用できるかどうかのポイントは、値段ではなくそれぞれの役割にみあった機能があるかどうかです。


■滑走においてはスピードコントロールが重要

 
 

 ゲレンデと違い、圧雪はされていません。不規則な斜度、岩や木などの障害物、急に変化する雪質など、バックカントリーでは予想外の事態が起こり易いです。
 たとえ怪我をしてもすぐに病院に行くことは出来ません。パトロールもいなければ、レストハウスもありません。けが人の搬送にも大きな労力と時間がかかります。

 万が一の事故を防ぐためにも、100%のスピードで滑らずにスピードコントロールをしっかりとして滑りましょう。


雪山の犠牲にならない為のまとめ。
『ゲレンデではない』ということを常に注意しましょう。
疲れたからといって、レストハウスに戻ることはできません。
大汗をかいたからといって、車に戻って着替えを出したり休憩室で乾かすことはできません。
怪我をしても、パトロールや救急車が飛んできたりはしません。
ゲレンデだったら、なんでもなかったはずのことが死につながることにもなります。


バックカントリーがどんなものかが分かったところで、次のステップへ進みましょう

■ステップその2へ進む

個人の趣味の範囲内のサイトですので、間違いや抜けている部分なども出てくると思いますが
もしも間違いなど見つけていただいた場合はご連絡ください

   
バックカントリー山スキー.comトップへ バックカントリー 山スキードットコム
http://www.yama-ski.com
    Home