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バックカントリー 雪山の犠牲にならない為のステップ-その3

バックカントリーに必要な装備

実際に体験してみて、続けよう!と思ったら必要な装備をそろえることになります。
バックカントリーはパーティで行動するので、個人装備と団体装備というものに分けることができます。
また、ゲレンデでの一般用とバックカントリー特有のものとで分けられます。

主な個人装備でバックカントリー特有のもの

ゲレンデで滑っていた人は下記の道具は持っていないと思います。
バックカントリーに行くにあたって必要となります。
ステップ2でガイドツアーを選んだ人は、とりあえずレンタルで済ますことができます。
友人と一緒に行くことを選んだ場合は、借りることができるものは借りて、購入しないといけないものから揃えましょう。
しかし、命を預ける大事な道具。いつまでも借り物でなく、できるだけ早めにそろえた方がいいでしょう。

■ハイクアップ用具 スノーシュー、シール、ポールなど

 
   ゲレンデの装備と違う一番のポイントとして、滑る分は自分で登っていく必要があることです。つぼ足で登っている人もいますが、おすすめできません。山スキービンディングやテレマークスキーならばシールでハイクできますが、通常のスキーの人は別途トレッカーが必要に。
ハイクアップ用品

■地図 汚れ、濡れ、破損などがありますので原本では無くコピーしたものを。

 
   登る前に良くルートを検討して行動中も常に現在位置を確認しましょう。ルートや現在地が把握できなくなった時は引き返す勇気も必要です。ただ持つだけではなくて読み方もきちんと憶えておきましょう。当たり前の話ですが自分で購入した地図のコピーを。
マップ

■コンパス 地図と必ずセット

 
   現在地や方角が分からずに地図だけあってもあまり意味がありません。コンパスで現在地を割り出せるようにします。
方位磁石

■高度計 ある意味コンパスより重要

 
   現在地をロスしてしまい、地図を見ながら現在地を割り出そうという時には非常に役に立ちます。太陽が見えている状況であれば、コンパスが無くても大体の方位は分かりますが、高度計はそれに代わるものが無いからです。
 強いて言えば、植生などである程度の推測はできますが、かなり苦しいと思います。
方位磁石

■ザック 日帰りとして20〜30リットル前後

 
   板やスノーシューなどを取り付けられるタイプを。山行きに必要な用具を収納、取り付けします。板を手でかついで登る辛さに比べれば段違いに楽です。その他、命を守るための道具も持ち運ぶことができます。
バッグ

■ビーコン 探索用の電波の受信と発信

 
   雪崩に埋まった時、ビーコンをつけていない人を生存可能時間内に探索することはまず不可能です(つけていたからといって、助かるとは限らないのですが・・・)。発信専用の安価なものもありますが、パーティーの仲間としてそれを持っていくのはやめましょう。
ビーコン

■プローブ(ゾンデ) 伸縮式の棒

 
   ビーコンで埋まっている場所を探索した後、プローブを挿して埋没者の位置を確認します。金属製やカーボン製など種類があります。使い勝手にそれほど差はありません。値段と軽さのバランスを見て選びましょう。
ゾンデ

■シャベル ザックに収納できるように分解式で軽量のもの

 
   雪崩で埋まった人をシャベル無しで存命中に掘り出すのは非常に難しいです。また、緊急時に雪洞を掘ったりピットチェック(積雪層を見て雪崩の可能性を探る)など色々と使用します。カーボンのブレードは硬い積雪層に歯が立たないこともあるので、できればアルミ製を。
ショベル

■ライト 携帯性のよい軽いものを

 
   さまざまなアクシデントにより、明るいうちに帰ってこれない場合もあります。月明かりでも出ていればまだいいですが、都会と違い山の中の夜は真っ暗です。何も見ることはできません。明かりが無ければ動くこともできません。できれば両手が自由になるようにヘッドライトのようなものが好ましいです。
ショベル
地図・コンパスは団体装備でいいという意見もありますが、何かあった時のことなどを考えると個人単位で携帯したい装備の一つだと思います。
ツアーなどに参加する場合は無理に持っていく必要もないかもしれません。



個人装備でバックカントリー特有でないもの


ゲレンデを滑る時などにも使用されているものの中で、バックカントリー用にアレンジしたほうが良いもの。

■食料 お弁当・行動食・非常食と3種類。それぞれ用途が違います

 
   お弁当=日帰りのバックカントリーでは通常はランチ一食分。おにぎりは凍って食べられないことがあるので避けましょう。

 行動食=移動中や休憩時間に手軽に栄養補給できるもの。通常の食事だけではエネルギー不足になるのを防ぎます。キャンディー等が消化も早く胃に負担がかからないのでいいと思います。スポーツ用のゼリータイプのチューブドリンクは水分補給も兼ねられるのでお奨めです。チョコレートは油脂分が多くてキャンディーよりも消化に負担がかかります。

 非常食=予定通りに下山できない場合の為の食料です。通常は山から戻るまでの間には手はつけません。カロリーメイトなど、保存性と栄養価の高いものを。
食事

■水分 テルモス、ペットボトルなど

 
   水やスポーツドリンク、お茶やコーヒーなど好きなもので。炭酸は避けたほうがいいかもしれません。
テルモス(保温性の水筒)で温かいもの飲むのも嬉しいですが、その分重くなります。私はペットボトルを2本持つようにしています。一つはザックの中、一つはハイク中にウェアのポケットに。
*女性の方でトイレが近くなるから嫌だと言って、あまり飲もうとしない人がいます。歩きながら少量ずつ飲むと飲んだ水分の多くは汗に変わりますが、あまり飲まずにいてのどが渇いた反動で休憩時間やランチタイムにガブ飲みすると、汗に変わらずに尿として排出されてしまう割合が増えます。
水

■板 滑走具

 
  パウダー用のモデルを特に用意しなくても普段ゲレンデで使用しているものと同じでかまいません。バックカントリーに向いてないものとしては、ファンスキーやショートスキーなどがあります。普段これらを使用している人は、身長と同じ位の長さのスキー板を用意しましょう。
スキー板、ボード、テレマーク

■ウェア

 
  無理に山行き用のウェアを買い揃えなくても、日帰りならゲレンデ仕様のウェアでも大丈夫です。もちろん、バックカントリーに適したウェアの方が遥かに快適なので、予算や使用頻度を考えながら少しずつ買い換えていくのがいいです。
服装

■ヘルメット

 
  ヘルメットというと敬遠してしまう人が多いようです。格好悪いという人もいれば、自分はたいして速く滑れないのにヘルメットをするのは釣り合わないなどなど。
圧雪も整備もされていないバックカントリーエリアは不整地です。斜面の凹凸はモーグルバーンのように規則的ではありませんし、雪質の急激な変化もあるし、木、岩や大きなくぼみなどもあります。
 ツリーランでは木の枝で頭を打つかもしれません。
そして、怪我をしてもスキー場のようにパトロールが飛んできてはくれません
できるかぎりヘルメットは装着したほうがいいと思います。
バックカントリー_ヘルメット



団体装備
必ずしも全員が持つ必要のないもの。パーティで分けて持てばいいものです。
どこまでが個人で携行すればいいかは意見が分かれるところで、下に団体装備としてあげたものでも、私は個人装備として必ずもつようにしているものも含まれています。

■ツェルト ドイツ語でテントの意味ですが、日本では簡易テント。防風性のある布地だと思ってください

 
   緊急時を考えるとパーティーに最低一つは必要です。ロープやポールがあればテントとして使うことも出来ますし、毛布のようにくるまるだけでも充分です。死亡遭難事故のケースでも、ツェルトを持っていれば助かったかもしれないケースは多いと思います。けが人の搬送などにも使用できます。
ツェルト

■ロープ 山屋さんなどで売っている、軽くて丈夫なものを

 
   ザイルとして使う場合を考えると20m位。私はギアの破損やアクシデント、負傷者搬送の対応用として数mのものを数本持つようにしてます。20mとなると重いので、行く場所やどこまでチャレンジするかにもよると思います。ルートを間違えるなどして長いロープが無いと脱出困難な状況に陥ることもあるかもしれないので、20mくらいのロープがあったほうがいいのかもしれません。
ロープ同士をつなぐこともできますが、スクエアノットを使用する時は注意が必要です。
ザイル

■通信機器 無線やトランシーバーなど

 
 

一緒のくくりにしましたが、無線とトランシーバーでは用途が異なります。
無線は免許や開局の申請など、手間とお金がかかります。条件にもよりますが何百キロも先まで交信できるので緊急の通信に向いています。救助要請など不特定多数のアマチュア無線家が通信を拾ってくれます。パーティの仲間同士での交信に使うにはトランシーバーの方が手軽でいいでしょう。

 トランシーバーは免許や資格などは必要ありませんが、機種や条件にもよりますが数百メートル数キロしか届きません。しかしその分手軽に使えてパーティ内での情報伝達に向いています。同じチャンネルを使用しているパーティーが近くにいない限りは他人との交信は出来ないので救助要請などにはむいていません。
 パーティ内での通信が主な役目です。

 無線とトランシーバーはそれぞれでまったく用途が異なるので、可能なら両方持つようにしましょう。

無線

全部買い揃えると結構な金額になります。
ガイドツアーに参加したりしながら、自分が欲しいものを少しずつ揃えていきましょう、
一緒に山に行く仲間ができたら、貸してくれたりするかもしれません。
ただ、人から借りる時は壊したり無くしたりに注意しましょう。

■ステップその4へ

個人の趣味の範囲内のサイトですので、間違いや抜けている部分なども出てくると思いますが
もしも間違いなど見つけていただいた場合はご連絡ください

   
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